１．2度目のシドニー大会 　第15回IIRA世界会議が、2009年8月24日（月）から27日（木）まで、オーストラリアのシドニー市で開催された。オーストラリアで開催されるのは、1992年のシドニー大会以来、2度目。 　 3年ごとに開催されるIIRA世界会議は、事務局がILO本部内にあることから、第4回世界会議までは第3回ロンドン大会を除き、スイス・ジュネーブ市で開催されたが、第5回世界会議がフランス・パリ市で開催されて以来、IIRA会長の国で開催されるのが慣行となった。 ２．総括テーマ 総括テーマ： 仕事、組織と雇用の新世界 The New World of Work,Organisations and Employment ３．次回第16回世界会議の開催について 理事会におていIIRAをILERA（International Labour and Employment Relations Association）に名称変更することが決議されたことにより、次回からはILERA世界会議と名称を変更し、2012年6月最終週にフィラデルフィアにて実施される。 ４．ＩＩＲＡとは？ 　労使関係研究の学際的な国際学術団体として1966年6月に発足した。その発起団体は、英国大学労使関係協会、米国労使関係協会、ＩＬＯ国際労働研究所、日本労働協会の４団体。当時の中山伊知郎日本労働協会会長がＩＩＲＡ発足に尽力した。事務局は、 スイス・ジュネーブのＩＬＯ本部内にある。 　世界会議は、1966年9月にジュネーブで開催されて以来、３年ごとに開催している。　第５回パリ大会と第６回京都大会の間隔が４年であるのは、1982年に世界会議を開催した国際労働法・社会保障協会事務局の要請による。 　会員には、各国協会が加入資格を持つ正会員 (Full Membership)、研究団体の準会員 (Institutional Membership)、個人会員 (Individual Membership) の３種類がある。2001年現在、正会員39協会、準会員46団体、個人会員870名。日本からは、日本労使関係研究協会が正会員として、また(独)労働政策研究・研修機構が準会員として加盟している。 ５．これまでのＩＩＲＡ世界会議 回 開催年 開催国・都市・参加者 総括テーマ (第10回大会以降) 第14回 2006 ペルー・リマ Social Actors,Work Organization and New Technologies in the 21 Century 第13回 2003 ドイツ・ベルリン 840名 Beyond Traditional Employment. Industrial Relations in the Network Economy 第12回 2000 日本・東京 1,042名 Global Integration and Challenges for Indusrial Relatins and Human Resource Management in the Twenty-First Century 第11回 1998 イタリア・ボローニア 1,003名 Developing Competitiveness and Social Justice : The Interplay between Institutions and Social Partners 第10回 1995 米国・ワシントン 1,000名 Learning from Each Other : Transferring Knowledge and Innovations across Cultures 第９回 1992 オーストラリア・シドニー 800名 The Role of the State in Industrial Relations 他４テーマ 第８回 1989 ベルギー・ブラッセル 500名 Labour Market Flexibility and New Employment Patterns 　他４テーマ 第７回 1986 西ドイツ・ハンブルク 500名 Technological Change and Labour Relations 他５テーマ 第６回 1983 日本・京都 450名 Industrial Relations in Post-Industrial Societies 他４テーマ 第５回 1979 フランス・パリ 450名 Workers' Participation 他３テーマ 第４回 1976 スイス・ジュネーブ 500 A Review of Labour Problems in Selected Countries 他５テーマ 第３回 1973 イギリス・ロンドン 450名 　 第２回 1970 スイス・ジュネーブ 400名 　 第１回 1967 スイス・ジュネーブ 400名 　 ６．ＩＩＲＡ役員 現役員 会　 　長 ジャニス・ベラーチェ　ペンシルベニア大学教授（米国） 次期会長 E.R.クルーラ　ケープタウン大学教授 前期会長 ラッセル・ランズベリー　シドニー大学教授（オーストラリア） 事務局長 ギセッペ　カーセル　ILO Chief Social Dialogue 歴代会長 初　代 ベン・ロバーツ教授 イギリス 1967〜1973 第２代 ジョン・Ｔ．ダンロップ教授 米国 1973〜1976 第３代 ジャン-ダニエル・レイノー教授 フランス 1976〜1979 第４代 中山伊知郎教授 日本 1979〜1980 第５代 隅谷三喜男教授 日本 1980〜1983 第６代 フリードリッヒ・フュルステンベルク教授 ドイツ 1983〜1986 第７代 ロジャー・ブランパン教授 ベルギー 1986〜1989 第８代 ジョン・ナイランド教授 オーストラリア 1989〜1992 第９代 トマス・Ａ．コーハン教授 米国 1992〜1995 第10代 ティツィアーノ・トレウ教授 イタリア 1995〜1998 第11代 花見　忠教授 日本 1998〜2000 第12代 マンフレッド・ヴァイス教授 ドイツ 2000〜2003 第13代 ルイス・Ａ．ヴァルデス教授 ペルー 2003〜2006 第14代 ラッセル・ランズベリー教授 オーストラリア 2006〜2009 第15代 ジャニス・ベラーチェ教授 米国 2009〜2012 次期会長 E.R.クルーラ教授 南ア共和国 2012〜2015